他動詞・自動詞のペア:開ける と 開く を分ける仕組み

英語の open は形を変えずに二つの仕事をこなします。I open the door と the door opens — 同じ語なのに、誰も不思議に思いません。日本語はこの近道を許しません。開ける(あける)は人がドアに対してすることであり、開く(あく)はドアが自ら行うことで、この二つは別々に覚えるべき別の語です。母語話者はこの使い分けを意識せずに行っていますが、体系として整理しておくと、教える側に回ったときにも、学習者のつまずきの正体を見抜くときにも役に立ちます。厄介なのは数です。日常的な動作の数十個にこの区別が付き、しかもペアの二語は音がほとんど同じなので、中級で最も長く残る誤りの温床になります。このガイドでは、この区別が助詞にどんな結果をもたらすのか、覚えておく価値のあるペア表は何か、なぜ同じ ている がペアの左右で違う意味になるのか、そして実際に身につく練習法は何かを整理します。

1. この区別が実際に意味するもの

他動詞(たどうし)は、誰かが何かに働きかけることを表します。それを行う主体があり、それを受ける対象があります。自動詞(じどうし)は、主語に起こること、あるいは主語が自ら行うことを表し、目的語がなく、行為者が視野に入らないことも多くあります。英語にもこの区別はありますが — I ate lunch は他動、I slept は自動です — 英語はたいていそれを表に出さず、都合のよいときには同じ動詞を両方に使い回します。

日本語はこれを語彙のレベルで示します。英語が open、close、start、stop、break、drop をそのまま使い回す場所で、日本語は形の違うペアを作ってきました。開ける/開く、閉める/閉まる、始める/始まる、止める/止まる、割る/割れる、落とす/落ちる がそれです。ペアの二語は漢字を共有し、音も一目で似ています。これは助けであると同時に罠でもあります。相方が存在するはずだと推測できる点では助けであり、閉める と 閉まる が仮名一つ違いで、学習者の耳が何か月も安定して聞き分けられない点では罠です。

文法問題を一問正解する以上に、この区別はなぜ重要なのでしょうか。日本語はこの選択によって、英語が短く言い表せないことを述べているからです。ある出来事を誰かがしたこととして提示するのか、ただ起こったこととして提示するのか。日本語においてこれは文体上の好みではなく、謝罪の場面でも、業務報告でも、天気予報でも、そしてその文が責任を認めているように聞こえるかどうかを分ける場面でも働く、日常的で荷重を支える区別です。7章でこの話に戻ります。

2. 助詞に現れる結果:を と が

ペアを正しく選べたときにすぐ返ってくる機械的な利益は、助詞が自動的に決まることです。他動詞はで示される直接目的語を取ります。自動詞には直接目的語がなく、変化を受けるものが主語となって(主題のときは は)で示されます。

この関係は両方向に成り立ち、それがこの規則のいちばん有用な点です。動詞が分かれば助詞が分かり、助詞が聞こえればその後ろにどちらの動詞が来たかが分かります。助詞を別個の暗記課題として扱う学習者は、この作業を十倍難しくしています。助詞は覚えるべき追加の事実ではなく、結果なのです。助詞全般がまだ心もとないなら、助詞ガイドが体系全体を扱っています。その中でここに最も早く元を取らせてくれるのが を と が の分かれ方です。

表に進む前にひとつ注意を。を は一部の自動詞(移動を表す動詞)とともに、通過する道筋や空間を示すこともあります — 公園を歩く(こうえんを あるく)、橋を渡る(はしを わたる)、家を出る(いえを でる)。ですから、を が見えるというだけでその動詞が他動詞である証明にはなりません。ただしこの用法は範囲が狭く見分けもつきやすいので、このガイドが扱う状態変化のペアについて規則を揺るがすことはありません。

3. 中心となるペア表

最初に出会い、最もよく使うペアです。この順で、必ず読みとともにペアで覚えてください。漢字は共有しているので区別の助けにならず、負担は読みのほうに集中しています。下のほとんどがN4の単語リストに現れ、日本語能力試験(JLPT)は N4 以上でこれを正面から出題します。

他動詞(「〜を」を取る)自動詞(「〜が」を取る)意味
開ける(あける)開く(あく)何かを開ける / 何かが開く
閉める(しめる)閉まる(しまる)何かを閉める / 何かが閉まる
始める(はじめる)始まる(はじまる)何かを始める / 何かが始まる
終える(おえる)終わる(おわる)何かを終える / 何かが終わる
出す(だす)出る(でる)取り出す、提出する / 出ていく、出てくる、現れる
入れる(いれる)入る(はいる)中に入れる / 入る、入っていく
付ける(つける)付く(つく)取り付ける、明かりをつける / くっついている、明かりがつく
消す(けす)消える(きえる)消す、消去する / 消える、見えなくなる
落とす(おとす)落ちる(おちる)何かを落とす / 落ちる、抜け落ちる
上げる(あげる)上がる(あがる)何かを上げる / 上がる、高くなる
下げる(さげる)下がる(さがる)何かを下げる / 下がる、低くなる
集める(あつめる)集まる(あつまる)ものを集める / 人が集まる
変える(かえる)変わる(かわる)何かを変える / 何かが変わる
決める(きめる)決まる(きまる)何かを決める / 決まる、定まる
続ける(つづける)続く(つづく)何かを続ける / 何かが続く
止める(とめる)止まる(とまる)止める、駐車する / 止まる、停止する
割る(わる)割れる(われる)割る、二つに分ける / 割れる、ひびが入る
壊す(こわす)壊れる(こわれる)壊す、故障させる / 壊れる、故障する

収まりの悪い二行に説明を付けます。終える/終わる は教科書に載る定番のペアですが、実際の話し言葉では 終わる がほとんどの仕事を引き受けます — 授業が終わりました(じゅぎょうが おわりました)のほうが、終える を使ったどの文よりもはるかに一般的です。そして 入れる/入る は、音がまったく助けにならない唯一のペアです。いれる と はいる は表面上つながりが見えません。ここだけは丸ごと覚えるほかありません。

上の十八組が固まったら、次の段を足す価値があります。そのころには次章のパターンのおかげで、ほとんど予測できるように感じられるはずです。直す/直る(なおす/なおる、修理する / もとに戻る)、見つける/見つかる(みつける/みつかる、探し当てる / 発見される)、起こす/起きる(おこす/おきる、人を起こす / 目を覚ます)、並べる/並ぶ(ならべる/ならぶ、ものを並べる / 列になる)、増やす/増える(ふやす/ふえる、数量を増やす / 数量が増す)、減らす/減る(へらす/へる、数量を減らす / 数量が減る)、届ける/届く(とどける/とどく、届け先へ運ぶ / 先方に到着する)、沸かす/沸く(わかす/わく、湯を沸かす / 湯が沸く)、冷やす/冷える(ひやす/ひえる、冷たくする / 冷たくなる)、汚す/汚れる(よごす/よごれる、汚す / 汚くなる)、曲げる/曲がる(まげる/まがる、曲げる / 曲がる、方向を変える)。ここまでで実用的なペアが三十組ほどになり、無理なく到達したN3レベルがおおむね前提とする量がその程度です。

4. 音のパターン — 実際に役立つが、あくまで傾向

表を見渡すと、繰り返し現れる形が見えてきます。推測するときにも、学習のまとまりを組むときにも実際に役立ちます。ただしこれを規則として紹介するのは正直ではありません。日本語が設計して作ったものではなく、歴史的な派生の名残として残ったものだからです。強いヒント程度に扱ってください。

ここからは但し書きです。パターンだけを信じて進むと必ず火傷します。そもそも相方のない動詞も多くあります。走る(はしる)、泳ぐ(およぐ)、死ぬ(しぬ)は自動詞のみで、食べる(たべる)と飲む(のむ)は他動詞のみです。一つの形で両方の仕事をする動詞もあります。開く を ひらく と読めば他動詞にも自動詞にもなります — 本を開く(ひらく)と 店が開く(ひらく)— 一方、同じ漢字を あく と読むと自動詞だけです。漢字一つに読みが二つ、ふるまいが三つという危険地帯なので、いちばん安全な習慣は ドアが開く は あく、本を開く は ひらく と、初めから別々の語として覚えてしまうことです。語尾が裏切る場所もあります。出る は -eru で終わりながら自動詞であり、焼く(やく)はその形なのに他動詞です。パターンで暗記量を半分ほど減らし、残りの半分は辞書で確かめてください。

5. なぜ ている がペアの左右で違う意味になるのか

ここからペアは単なる語彙の宿題であることをやめ、実際の仕事を始めます。ている の形には二つの読み取りがあります — 進行中の動作か、完了した変化の結果として残る状態か — そしてどちらになるかは動詞が決めます。これらのペアの自動詞側は多くが瞬間的な変化を表すので、状態の読みに落ちます。相方の他動詞側は活動を表すので、進行の読みに落ちます。文法は同じなのに結果は正反対です。

最後の例は覚えておく価値があります。道で誰かに 財布が落ちていますよ と言えば、その人が財布を落とし、それが今、路面にあることを知らせる言い方になります。他動詞の 落としました を使えば落とした行為のほうを述べることになり、財布を落としましたよ となります。これも自然で、むしろ親切かもしれません。どちらも使えます。同じ状況の枠取りが違うだけで、その選択ができるようになることこそ、この話題全体が狙う力です。結婚する がなぜ「結婚した状態」を表し、知る がなぜ「知っている」になるのかを含め、ている の全般的な仕組みは動詞活用ガイドで扱っています。

6. てある:誰かがそう整えた状態

他動詞だけが取れる三つ目の選択肢があります。てあるです。他動詞に付けると、自動詞の ている と同じく結果状態を表しますが、そこに「人が意図的に、多くは準備として、そうした」という含みが加わります。訳に移すと微妙な差ですが、日本語の中ではまったく明確な差です。

助詞に注目してください。開ける と 冷やす は普段 を を取る他動詞なのに、てある の構文では目的語が が に繰り上がります。文がもう行為を報告するのではなく、そのものの状態を述べているからです。学習者が驚く箇所であり、試験の作成者が好む箇所でもあります。対になる ておく(「前もってしておく」)は同じ硬貨の行為の側です。今日 予約しておきます と言い、明日 予約してあります と言う、という関係になります。「用意してある」と言いたいときに てある を、「ただそういう状態だ」と言いたいときに自動詞の ている を選ぶ。この小さな選び分けが、文の正確さを大きく左右します。

7. 日本語が自動詞に手を伸ばす理由

英語話者が最も驚くパターンがここにあります。英語なら犯人を名指しするか受身を持ち出す場面で、日本語はごく普通に自動詞を使い、出来事をそれ自体として立たせます。母語話者は無意識にそうしていますが、学習者にとってはここが最後まで身につきにくい部分です。

これを文化的な婉曲さで説明したくなりますし、その面もありますが、より実用的な説明は文法のほうにあります。日本語にはまさにこの仕事のために控えている自動詞が豊富にそろっているので、「そういうことが起きた」と言うのに受身を必要としないのです。日本語にも受身(られる の形)はあり、実際に使います — ただし他人のしたことで影響を受けた、迷惑を被ったという色が付くことが多くあります。財布を盗まれました(さいふを ぬすまれました)のように。この被害の色合いがあるために、英語の受動態をそのまま日本語の受身に移すとしばしば不自然になります。多くの場合、正しい行き先は自動詞です。学習者向けの実用的な目安は単純です。出来事がただ起こっただけで誰かを責める必要がないなら、まず自動詞に手を伸ばすこと。

8. ペアを身につける練習法

この話題では普通のフラッシュカードが失敗します。「開ける = to open」とだけ書かれたカードは、実際に問題になる半分について何も教えてくれないからです。難しさの本質が思い出すことではなく見分けることだという事実の上に立つ、もっとよく効く方法を紹介します。

  1. 片方だけを単独で覚えない。二つを一枚に入れ、助詞を問題の中に焼き込みます。表は「___ を開ける / ___ が開く」、裏は読みと、そこに収まる名詞。実際の文で手元に残る手がかりは、まさに助詞だからです。
  2. 文型を固定して回す。名詞を一つ選んでペアを回します。ドアを開けます / ドアが開きます。次に名詞を替えて繰り返します。窓を開けます / 窓が開きます。同じ型に中身だけを入れ替えるこのやり方が、知識ではなく反射を作ります。
  3. 音のパターンでまとめて学ぶ。ある回は -す の他動詞だけ、次の回は -aru の自動詞だけを通します。形でまとめるとパターンが暗記の半分を肩代わりしてくれるので、五十音順や教科書の順よりずっと効率的です。
  4. ている の形でも必ず練習する。開いている と 開けている の差にこそ意味が宿っていて、聞き取りで要求されるのもそこです。辞書形の練習だけでは、その穴がそのまま残ります。
  5. 自分の部屋を実況してみる。歩き回って目に入るものを自動詞の状態で述べ — 電気がついている、窓が閉まっている、本が落ちている — 自分がすることを他動詞の動作で述べます — 電気を消します、窓を開けます。五分あればでき、道具もいりません。ペアが一覧表ではなく身体の記憶に貼り付きます。
  6. 復習の間隔を空ける。紛らわしいペアは普通の語彙より速く抜け落ちるので、より多い回数をより長い期間に分けて配る必要があります。詰め込みではなく復習デッキに入れてください。その間隔の根拠は間隔反復ガイドにあります。

現実的な目標を置くなら、N4 の教材を終えるころに二十組ほどを確実に扱えること、N3 の中ごろで三十から四十組。絶対量としては多い語数ではありませんが — JLPTモジュールは五つのレベルを合わせて2,904語を扱います — この四十組はかけた手間を何倍にもして返します。物理的な世界を語るほとんどの実用文に顔を出すからです。一般の語彙復習の中に散らばらせず、学習ツールで専用のまとまりとして回し、紛らわしい読みは進めながらN4語彙ガイドと突き合わせて確認してください。

9. よくある誤り

他動詞・自動詞のペアは暗記の力仕事に見えますが、実際には一つの問いを四十回当てはめる作業です。この文は、行為者が何かをするものとして提示されているのか、それとも物が自ら変わるものとして提示されているのか。動詞を選ぶ前にこの問いを頭に置けば、助詞も、ている の読み取りも、てある という選択肢も、すべてそこから出てきます。上の表の十八組をN4語彙と併せて始め、N3に進みながら次の段を足していけば、この話題は二、三か月のうちに誤りの温床ではなくなります。